#6 構図の話
2008/03/16 Sun [Edit]

自分の撮る写真がいつも単調でつまらない・・・と感じたことはありませんか?ありがちなのが主役となる被写体がいつも画面の中心にある写真。そんな写真を日本の国旗に見立てて、「日の丸構図」なんて呼ばれています。例えば人物を撮影する場合、一番の主役となるのはその人物の顔になりますよね。撮影者はその顔を画面に収めなければいけないと思うばかりに、無意識に顔を画面中央に置いて撮影しようとする傾向があります。その結果、どの写真も主人公がド真ん中に写っている単調な写真ばかりになりがちです。今回は、そんな単調な写真を抜け出すためのテクニックについてお話ししたいと思います。
違う人が同じモノを撮ったのに、撮れた写真は三者三様。その違いは、高さだったり、角度だったり、空間の使い方だったりするわけです。四角いフレームの中に被写体をどう配置(フレーミング)するかで写真は大きく変わります。この、どのように配置するかが「構図」です。写真の構図の話になると必ず持ち出されるのは、黄金分割だの二分割法だの三分割法だのと、難しい理屈が説明されていることが多いと思います。でも、僕はそんなこと気にしたこともありません。要はファインダーを通して見える景色を一枚の絵に見立て、ファインダーの四隅(フレーム)一杯を使って、自分が気持ちいいと感じるよう切り取ればいいわけです。
では、気持ちの良い構図を見つけるためにはどうしたらいいでしょう?動く被写体でない、または自分でモノを動かせる状況でない限り、ただ突っ立っていても配置や構図は変わりません。時には地面すれすれから見上げてみたり、逆に台に登って見下ろしてみたり、水平ばかりじゃなくて傾けてみたり、ピントが合う最短距離までグッと近づいてみたり、わざと主役を半分画面からはみ出させてみたりと、前回紹介したAFロックを駆使して自分が動き回りながら気持ちのいい構図を見つけてください。
そう言われてもやっぱりよく分からん。という人のために、構図を作る上で僕が注意している点をいくつかご紹介しましょう。
空きの配置に気を配る
始めにお話しした日の丸構図が決して悪いわけではありません。要は、その構図にした理由が感じられればいいわけです。例えば下の写真は典型的な日の丸構図ですが、奥行きや広がりを感じてもらうために、あえてこの構図にしています。そして僕が理由を作るために特に気を配るのが「空き」の使い方です。多くの場合、不安にさせる構図より、安心して見ていられる構図のほうが好まれます。この安心して見られる構図になるよう空きを意識しているんです。

下の写真は極端な例ですが、Bの写真よりAの写真のほうが窮屈な感じがしませんか? これは、目線の方向に空間の空きがある方が圧迫感がなく安心するからです。逆に、緊張感を感じてもらうために、あえて不安に感じるような空きにすることもあります。このように空きの配置は見る人の印象を左右する重要な要素なのです。

A:目線方向に”空き”がない。

B:目線方向に”空き”がある。
もう一工夫の変化
気持ちのいい構図を考えた場合、先ほどの安心して見られるということも必要ですが、よく見る景色や構図はあまり気持ちいいと感じない、つまり飽きられた構図になりがちです。そこで、できるだけ日常目にしないであろうアングルや、角度を付けて不自然にしてみたりと一工夫することで、意外性のある新鮮な構図になることがあります。
初めのうちはこの意外性を見つけるのはなかなか難しいかもしれません。そこで、ファインダーを覗きながら、一度決めた構図を、そこからもう少し寄ってみたり、角度を変えてみたりと変化させてみてください。いつもと違った新しい世界が見えてくるかもしれませんよ。
脇役を考える
ドラマや映画では主役を引き立てるために脇役の存在が重要ですよね。写真も同じ。脇役の扱い方で印象が変わってきます。では、写真にとっての脇役って何でしょう?それは先ほどの空間(空き)だったり、ボケ味だったり、コントラストや色彩だったり、背景だったり、主役との関係性だったりと、いろいろな要素が考えられます。この脇役の使い方や配置によって主役をグッと引き立て、よりドラマチックに演出することができます。
下の写真では、子供が主役です。登ってきた階段と、目線の先に見える空きの両方を脇役として入れることで、主役の置かれた状況を把握でき、現在・過去・未来を予見することができます。また、わずかに傾けることで、”動き”を強調しています。

今回のコラムを読み終えた後、当ブログの過去の写真を見返してみてください。今まで気づかなかった構図の意味が分かってもらえるかもしれません。始めにお話ししたように配置や構図は三者三様。自分が気持ちいいと感じる構図かどうかを意識して撮影することで、自然とあなたらしさが生まれてくるのではないかと思います。

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